2017年9月21日 (木)

秋の和食

 今日のお料理教室は秋らしい和食のメニュー。卯の花和え(写真左)に入れた鰯の脂の乗っていることに感心したが、先の台風の影響で、今回は大きな魚専門店に行っても魚の種類が少なかったとのこと。「秋刀魚はやせていてペティナイフみたいでした」と北川先生。乱獲のせいもあろうか。写真右は、南瓜と茄子の胡麻だれかけ。南瓜は含め煮、茄子とオクラは素揚げにし、赤味噌とオリゴ糖入りの胡麻だれをかける。
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 次は魚の甘辛煮。というより生姜煮といいたいほどの見た目である。大きな生姜の塊をせん切りにして炒め、酒、醤油、砂糖、たっぷりめの水を加えて半分近くになるまで煮詰める。その間に生姜の臭さがぬけて、味や香りのよさがしっかり出てくるのだとか。そこへ軽く焼いた魚の切り身を入れてさっと煮る。今日はサワラを使ったが、本来はスズキや太刀魚がお勧めとのこと。
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 大和芋とあおさのかやくご飯ととすまし汁。すまし汁は昆布と鰹節のほかに、梅干しの種を煮出して風味をつけた。大和芋はすりおろして、沸騰間近のおだしにスプーンでポトリと落とすと、ほどよくふわりと固まってくれる。
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 デザートには、ふっくらのカステラ。お土産にスダチを分けていただき、ああ、秋~♪

2017年9月19日 (火)

川柳仲間と連句の冊子

 川崎駅の地下商店街で5月に開かれた「笠着連句」(私も参加。5月27日のブログ参照)の記録が、おしゃれな1冊にまとめられた。ほぼA4判の20頁。表紙には「連句で遊ぼう」「一句付けてみませんか」のキャッチコピー。中を開くと「連句とは?」「三つの基本」に始まり、当日の表合八句が其の一から其の八まで、そして歌仙三六句の連句作品が、解説付きで紹介されている。季語研究会世話人の丁那さん、雀羅さんが執筆された、その解説がおもしろい。句の読み解き、つながりと展開、世界観などが、まるで短編小説のように味わえる。
 一昨日の季語研究会で手渡されたその冊子を、私に連句を紹介してくれた一歩さんのいる川柳「やまびこ」の集まりに、今日持参。披露したら「あら、すてき」「うわぁ、大人の遊びですね」「みんなで物語を作っていくんですって」「へえ、おもしろそう!」と話題になった。新しいことを軽やかに試す「やまびこ」のことだから、忘年会あたりの余興で〝川柳風〟連句に挑戦するかもしれない。
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2017年9月18日 (月)

テレビで「北斎の娘」

 夜、NHKドラマ『眩(くらら)~北斎の娘~』を観た。原作の、朝井まかて著『眩』を読んだことがある(2016年11月22日のこの欄参照)ので、楽しみにしていた。
 まず、とても美しい画面のドラマだった。北斎の家は紙屑だらけ、蜘蛛の巣だらけ、娘のお栄はあぐらをかき、長キセルをくわえる。およそ美しくない状況だが、それゆえ絵や絵具の鮮やかさが映える。素描の動物が命を得て動き出すCGも効果的だった。「光と影が、この世の色と形を作っているんだ」と気づくお栄を宮崎あおいが好演。北斎役の長塚京三もまさに鬼才、脳卒中で倒れたあと、「養生はもう飽きた」と再起するシーンが印象に残る。0918                   写真は(『眩~北斎の娘~』より)

 丁寧なカメラワークの1時間15分番組だった。台風の吹き荒れた連休を、上質なドラマが締めくくった。

2017年9月16日 (土)

「瞼の母」ストーリー(こぼれ話)

 ストーリーを紹介し終えたので、こぼれ話をいくつか。
 水熊の居間であれだけ忠太郎を拒否したおはまの、家を守るために隠していた情がお登世によって一気に噴き出る。役者の藤田さんはその二面性を鮮やかに演じた。「忠太郎~!」と名を呼び続けるラストにもらい泣きを誘われた人も多い。まさに当たり役だった。
 忠太郎の黒スーツ姿は、「最初はアレッと思ったけれど違和感はなかった」「廻し合羽に三度笠の出で立ちだったら〝ベタ〟すぎ」の感想も。
 演出の山下さんは、「講談との組み合わせはありそうでなかった。織音さんの話芸を間近に見て、日本の〝型〟のある表現っていいなぁと再認識した」とか。音楽監督の木村さんは、「言葉と音楽が即興でやりとりできて気持ちがよかった」と。木村さんには、早駕籠の「エッホ、エッホ…」の声も出していただいたが、「あれを自然に品よくできる人はなかなかいませんよ(笑)」と箏の稲葉さん。

0916  カーテンコールの写真を見るたびに、感謝が込み上げる。ご覧くださいました皆様、数々の応援を、本当にありがとうございました。
(終わり)

2017年9月15日 (金)

久し振りの着物

 着物で出かけた。本当に久し振りだ。5月になって単衣に変えようと思った矢先にもう暑くなって、以来ずっと封印状態だった。年々夏が長くなって、蒸し暑さが増して、ゲリラ豪雨の確率が上がって、単衣の出番が少なくなるばかりだ。
 今日は、無理をしなくてもまずまず涼しい顔で過ごせた。やはり、空気はもう秋。けれど、キョロキョロ見渡したにもかかわらず、日中、和服姿には一人も出会わなかった。出掛けた先が新宿だったせいか。
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2017年9月13日 (水)

老木の肌

 先回に続いて、今度は幹に取り付いた生命体の写真。玄関前の古い八重桜の幹が苔むして、白いカビのようなものもびっしり生えている。木肌の老化と思えば痛々しいが、長年生きていれば寛大な共存状態になるのかと感心もする。
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2017年9月11日 (月)

貼り付いたツタ

 群馬の家に来ている。涼しい曇りで草取りに最適の一日だった(苦笑)。地上に生えている雑草だけでなく、からみついて上へ横へと伸びるツタの類もある。キーウィの棚を支える角柱にきれいにツタが這っていた。09131
  垂直に平らに、壁を捉えている。まるで虫のごとき生命体が、足を使ってよじ登っているように見える。09133_2

2017年9月 8日 (金)

「瞼の母」ストーリー(9)

【後半第三場・荒川堤】「廻し合羽に三度笠、秋の夜更けの川べりを心淋しく忠太郎」の語りに続いて忠太郎が登場。跡をつけられていると気付き、浪人たちの水熊を乗っ取る魂胆を知る。関わるものかと思ったその時、「忠太郎兄さーん」「忠太郎やーい」と自分を探す声を聞く。驚く忠太郎、「どうか無事でいておくれ」「兄さんは信じられる人」と母妹が話すのを芒の陰で聞き、自分を思ってくれる人がいると知って感極まる。二人が別の場所へ移動した隙に、忠太郎は浪人達を追い、斬り倒す。
(第三場は私の脚色部分が多かった。忠太郎が水熊や母妹を守るために浪人と闘う場面では、「太刀と脇差しが火花を散らし、肩で息する二つの影が…」と、活弁のような語りも入れた)
 再び母妹が「忠太郎兄さーん」「忠太郎やーい」と探しに来る。だが忠太郎は芒の陰に身を隠したまま。
お登世「あんなに探したのにどこにもいないのね。縁がないってのは、こんなものなのかしらねえ」
おはま「あたしが、悪かったからだよ」
 二人のすすり泣きを遠くで聞き、忠太郎最後の名台詞。「俺あ厭だ、厭だ。誰が会ってやるものか。俺あ、こう上下の瞼を合せ、じいっと考えてりゃあ、会わねえ昔のおっかさんの俤が出てくるんだ。それでいいんだ。会いたくなったら、俺あ眼をつぶろうよ」
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語り「前を過ぎ行く二挺の駕籠、じっと見送る忠太郎」
船頭唄(笛の木村さんが歌う)「降ろうが照ろうが風吹くままよ」
 母娘が去り、忠太郎が去って幕となる。

2017年9月 7日 (木)

浅草のあんみつ

 所用で浅草の合羽橋に出かけた。お茶を一服するところを探していたら、本願寺のすぐそばに格好の店を見つけた。創業百余年の乾物問屋「萬藤」(まんとう)。食材販売の店の半分をカフェにして、厳選素材のわらびもち、あんみつなどをメニューにしている。

09072  スペシャルあんみつを注文。寒天、パイナップルが星型にくりぬいてあってかわいい。赤えんどう豆が懐かしく、甘すぎず、オーソドックスで上品な一品だった。今日は雨で涼しかったので諦めたが、かき氷も魅力的。

09071  売っているのは、各地名産のふるさと食品、和洋菓子材料など。「野菜の価格高騰の昨今、乾物野菜はいかが?」との手作りポップを立て、お馴染みの切干大根以外にも、人参、ごぼう等のドライパックが並んでいる。常備食品の知恵を思い起こした。老舗の暖簾が壁に(写真)、また「貸すな借りるな判押すな」の書が目立つ場所に掲げてあった。イマドキのただのおしゃれなカフェではありませんぞ、と示しているよう。

 ブログを始めて2年と1カ月。今日は300本目の記事だった。

2017年9月 6日 (水)

「瞼の母」ストーリー(8)

【後半第二場・水熊の居間④】思わず「忠太郎さん、お待ち」と引き留めようとするおはまに、ここでまた名台詞。
忠太郎「自分ばかりが勝手次第に、母や妹を恋しがっても、そっちとこっちは立つ瀬が別っこ。俺も馬鹿よ、幼い時に別れた生みの母は、こう瞼の上下ぴったり合せ、思い出しゃあ絵で描くように見えてたものを、わざわざ骨を折って消してしまった。おかみさん、ごめんなさんせ」
 そこへ何も知らずに娘のお登世が登場、廊下で忠太郎とすれ違い、互いに「よく似てる」と独り言。断ち切るように立ち去る忠太郎。
 「おっかさん、今の男の人誰?」と訊ね、「兄さんなの。生きていたの!」と無邪気に喜ぶお登世に、「そうだよ!忠太郎が訪ねてきたんだよ!なのに私は…」と号泣する母。
(脚本で純真なお登世を強調した。娘のお登世(小野里桃子さん・写真左)の柔らかな心に、おはまは「堪忍しとくれ」と悔やむ。)
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おはま「おっかさんは薄情だった。始めのうちは騙りだと思って用心しちまって、そのうち家の身代に眼をつけたんだと疑って、終いにはお前の行く末に邪魔になると思い込んで突っぱねて帰してしまったんだよう」
お登世「そんな! 兄さん、哀しい目をしてた。すぐに呼び戻してあげて」
おはま「そうだね。どんなことをしても、もう一度母子三人で会わなければ」
 そこへ忠太郎を強請りと思った板前が、浪人者を雇って襲わせることにしたと告げる。驚くおはま、自分で追いかけると早駕籠を二挺呼ぶ。
(つづく)

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