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2016年8月

2016年8月31日 (水)

『春に散る』

 朝刊に連載されていた沢木耕太郎氏の小説『春に散る』がラストを迎えた。文芸欄1ページを割いての掲載だった。「散る」という題からして主人公は命を落とすと最初からわかっていても、章の題が「花の道」となっていよいよ終盤と覚悟していても、一日でも長く読んでいたかった。
 老いた元ボクサー4人が再会、シェアハウスで同居し、資質ある若者に自分たちの技を教え、彼がぐいぐい成長…、胸のすく展開だった。ボクシングはほとんど興味がないのに、毎朝この小説がそれはそれは楽しみだった。「リングの上で無限に自由になる」とはどういうことなのか、最終回はあまりに見事で、読み終えてしばらくぼーっとしてしまった。

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 生の沢木氏に、一度遠くからお目にかかったことがある。かつて、息子の通っていた高校の文化祭で、氏の講演が行われるというので駆けつけたのである。男子校だから、モハメド・アリを皮切りに闘う男の話をしようとしていらしたのに、聴衆は私のような母親ばかりで、さぞ驚かれただろう。それでも若者向けに、「人と会ったとき、この人はどれくらい背丈があるか…単なる身長ではない、真の意味での身の丈ですよ…を見極められるように意識を鍛えておくといい」といった講演をなさったと記憶している。お声も姿もかっこよかった。

2016年8月28日 (日)

蝉の爪

 群馬の家に行ったら、外壁に蝉の抜け殻を見つけた。地面に転がっているのはよく見かけるが、垂直に留まっているのはめずらしい。「夏の扉に爪たてたまま油蝉」の川柳を思い出した。

 作者のお名前は失念したが、時実新子のお弟子さんである。掲載された句集に、新子が次のようにコメントを添えていた。

 「夏の扉に爪たてたまま油蝉」――あああまりにも私とだぶるその姿。…油のかけらもなく乾涸びているのに名前は「油蟬」。見るかげもなく老いさらばえて名は「新子」。残る眼力で「落ちよ!」と念込めるしかあるまい。何とその爪のしたたかな執念。…

 新子は2007年3月に78歳で逝去。上の文は10年ほど前に書かれたものだろうか。

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 抜け殻は、私には、さらば!と言って脱ぎ捨てた古い上着が、壁板の凹凸にかろうじて引っ掛かっているユーモラスな図に見えたのだが、写真にしてみると、「爪」のしたたかさはなかなかのものだ。

2016年8月24日 (水)

紙媒体のチカラ

 パソコンに向かって編集作業の日々。先日の「川柳やまびこ創立五周年記念句会」の記念誌の、16ページがようやく姿をあらわした。あとはミスのないように、確認作業をがんばろう。

 写真に写っているもう一つは、10月に行われるチャイハナでの朗読会のお知らせ。今日作ってみたのだが、これも、チラシの形にプリントしてみると「いよいよ!」の気持ちになって、練習に身が入る。

 10月にはもう一つ、写真教室受講生の写真発表展が開かれる。今日の写真講座では、各自、展示する写真を選んで決定した。(私のはさておき)皆さん、実に力作揃い! 写真も光沢紙に大きく引き伸ばすと、画面で見ているのとは全然違う迫力があるそうで、これを目にするのは次回のお楽しみである。
 メールやブログで、〝ペーパーレス〟の便利を享受しているが、紙の印刷物を手にすると、作品の重みとか、そこに至るまでの苦労とか、頬ずりして抱きしめられるっていいものだなと素直に思う。0824 10月の朗読会や写真展については、近づきましたら、詳細をお知らせします。

2016年8月21日 (日)

連句と俳文リレー

 月に一度の季語研究会で、6月から与謝野蕪村の連句を鑑賞している。取りあげたのは『蕪村七部集』の中から、「一夜四歌仙」。これは、病気の老いた嵐山を見舞った蕪村(57歳)が、四吟の連句をしてほしいという嵐山のリクエストで、三浦樗良(俳諧師・44歳)、髙井几董(蕪村の高弟・32歳)とともに、一晩で歌仙を四つ(「薄見つ」「白菊に」「恋々として」「花ながら」)巻いたというもの。その中の「薄見つ」を今日読み終えた。皆さんの講釈を聞き、耳新しいことばかり、とても勉強になる。

 季語研の会報に「俳文リレー」が復活。7月発行の147号に、私が芝浜の朗読の話を書いたら、8月号ではNさんが「パリ娘Tsukijiへ行く」と魚屋をつなげてくださった。「付け」と「転じ」の妙味は、連句実作の時間の皆さんの会話にも流れ、愉しい世界だなぁとあらためて思う。

 今日は、Yさんから高知のお土産「竜馬がゆく」をいただいた。ピストルを持ち、ブーツを履いて写真を撮ったという、新しいもの好きな坂本竜馬を偲んでの銘菓。和洋折衷の焼き菓子で、中にミルクあんが包まれていた。

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2016年8月18日 (木)

パンとワインの夕食

 週末が近づくと、今夜はパンとワインにしよう…という気分になる。自動パン焼き機に焼き立てパンを用意してもらって、ワインを開ければ、あとは、チーズとハムと、野菜料理が一品あればもう十分である。料理に手をかけなくてすみ、それでいてちょっと贅沢に寛げるのでやめられない。
 今日はリオ五輪の、女子レスリングの快挙をテレビで見ながら、ゆっくり、楽しく飲んだ。

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 パンはおから入り。ヘルシーでさっくり軽いのがいい。

2016年8月15日 (月)

夏に元気な実と花

 お盆休みを群馬の家で過ごした。東京よりぐんと涼しくてありがたい。
 ブルーベリーが収穫期を迎えている。少しずつ、順に色づくのが数カ月にわたって続くので、収穫はなかなか根気のいる作業だが、食べたい一心でせっせと摘む。08151

 下の写真はマリーゴールド。丈夫な多年草で、何も手入れしないのに、毎年7月にちらほらと花をつけ、8月に盛りとなる。強い匂いがするので動物や虫が嫌うというこの花が、今年はまた一段と株数を増やして道に面した敷地のコーナーに群れ咲き、色鮮やかな砦となっているかのようだ。08152

2016年8月11日 (木)

やまびこ5周年記念句会

 川柳同好会「やまびこ」が創立五周年を迎え、記念句会が開かれた。「山の日」がやまびこを応援してくれたのか、石神井庁舎の5階に大勢の柳人が集まってくださった。

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 はじめに、台東区川柳人連盟の内田博柳さん、「川柳つくばね」の太田紀伊子さんから祝辞をいただく。
 今日の題は、「祈る」秋広まさ道選、「ワケあり」松尾仙影選、「ふわり」播本充子選、「びっくり」平野さちを選、「節」渡辺梢選、席題は「応援」内田博柳選、最後に「ファミリー」永井天晴謝選。間にかるい体操や、なごみ亭ポット(横山きのこ)さんによる落語をはさみ、司会の植竹団扇さんの軽妙なトークで和やかに進行した。

 入選作はいい句がたくさんあって会場が沸き、私も選者の隣で文台をつとめながら聞きほれた。 「とらわれずに新しいアイディアを試す」のがやまびこの持ち味。今日も、席題の当日発表(主催者にも)の厳守、披講の二度読み、各題三才入賞作をプリントして閉会時に配布、を実現させた。入賞者には景品もたくさん用意され(写真下)、終始和気藹々。皆さんのいい笑顔を記念撮影におさめて、無事終了した。 これからも、よい交流が重ねられていきますように。

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2016年8月10日 (水)

水族園の写真の講評

 葛西臨海水族園で撮影(7月27日)した中から10点選んで写真教室に持参、講評を受けた。ポイントは、(1)魚の特徴が捉えられているか?(2)複数の魚がうまく構成されているか?(3)水族園の雰囲気が出ているか?の3点。
 以下に3枚、紹介します。(魚の種類は残念ながらわかりません)

 1枚目、この魚は表情がおもしろい上に動きがゆっくりで、初心者向けの被写体だった。もとの写真は2匹が中央にいたのだが、「緊張感を持たせるために、左側と下方を少しトリミングしましょう」と安島先生のアドバイスでこのようにした。なるほど、魚の周りの空間はこのくらいのほうがいい。08101
 2枚目、「手前の上部に縞の魚を入れたのがよかったですね。メリハリ、遠近感が出ますし、おや?と思わせる効果もあります」と先生。私のカメラは簡単なコンパクトカメラで、絞りも露出もカメラがしてくれる。私は構図を決めてシャッターチャンスを狙うだけだ。結果、こういう組み合わせが多くなる。08102
 3枚目、ユーモラスな表情をアップで撮った。魚の顔に喜怒哀楽があるように見えるなんて、今回水族園で撮影するまで考えもしなかった。「後ろの魚が壁に影を作っているのもおもしろいですね」と先生。08103
 このところ猛暑続き、今日は水の中の写真を何枚も見て、涼しく、気持ちのよいひとときだった。

2016年8月 5日 (金)

リーディングシアター

 スイミー(女性アナウンサー8人のグループ)の8月公演を観に行った。杉並区共催平和事業として、「ひめゆりは散っても」「ダイヤモンドより平和がほしい」に続き、今年は「ヒロシマ」である。
 惨状の第一報を伝えた記者、路面電車を運転していた女学生、労働にかり出された中学生とその家族等にスポットをあて、あの日何が起こったかを多地点同時進行で刻々と示す。二人のアナウンサーが司会・案内役、登場人物は朗読でなく台本なしの芝居をし、写真、地図、挿し絵などの映像をふんだんに使い、ピアノとバイオリンの音楽が流れる舞台は、新たな表現の可能性を見せた。事実がわかりやすく、だからこそ胸を打つ。オバマ大統領のヒロシマ訪問はじめ、現代につなげ、未来に託す筋運びも無理がなく、ここまで練り上げられたお骨折りを想った。

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 劇の中で映し出された美術学校の生徒さんの絵が、ロビーに展示されていた。「折り鶴」の歌を合唱した若者たちの姿も印象深い。08052 

 この作品に関わった多くの人に敬意を表する。明日は8月6日…。

2016年8月 4日 (木)

オフィス街の夏祭り

 神田のワテラス広場での夏祭りに出かけた。2年目の今年は8月3~5日の3日間、17:00~21:30。舞台で、祭囃子や津軽三味線、石見神楽のイベントがあり、周辺に飲食店の屋台が並ぶ。勤めを終えた人々だけでなく、子供連れの姿も多かった。
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 モダンでおしゃれなワテラス広場で、伝統芸能が披露されるのがおもしろい。08042
 隣のソラシティの広場では、「ビール半額!」の催しも。オフィス街はオフィス街で、暑さを吹き飛ばしている。

2016年8月 1日 (月)

人工日陰の涼

 群馬の家で週末を過ごした。
 梅雨が明けてギラギラと太陽がまぶしいので、テラスにタープ(tarp=日除け・雨除けの布)を張ることにした。プッシュアップ式で傘のように屋根を広げ、四隅のポールをカチッ、カシャッと伸ばせば出来上がり。便利な商品があるものだ。これで炎天下でも、少々の悪天候でもバーベキューができる。

 椅子も折りたたみ式で、なかなか座り心地がよく、肘掛けにボトルや缶がセットできる窪みもついている。何より驚いたのは、ここに座ると涼しいことだ。風がわたって、真夏なのに戸外で読書でも、という気になる。雑草退治が一段落したら、ここでのんびりしよう。0801

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