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2016年9月

2016年9月29日 (木)

よりぬき長谷川町子展

 板橋区立美術館で開催中の「よりぬき長谷川町子展」を見に行った。この美術館は、交通のアクセスがやや不便だが、ユニークな企画、展示で定評がある。今回は、サザエさん生誕70年を記念して、作者(1920~1992)の生涯と作品の魅力を、存分に伝えている。 

 まず驚いたのが、14歳のときの作品。亡き父の俳句に町子が絵を添えたもので、例えば「舞扇猿の涙のかかるなり」に、正月の猿回しと観客の一コマを描く。その猿の表情が何とも複雑で、これを14歳で描いたとは、並大抵の才能ではない。
 村岡花子の「ヘンゼルとグレーテル」(「國民五年生」の雑誌)に描いた挿絵は洋画家のタッチ。漫画家として独り立ちの手応えを得たという「ヒィフゥみよチャン」(國民新聞に連載)は、本人がきれいに切り抜いてスクラップしたものが展示されていた。
 「サザエさん」の単行本の表紙原画がずらりと並べてあったのも見ごたえがあった。デザインにどんどん新しさが取り入れられ、挑戦を感じた。晩年の「サザエさんうちあけ話」で、縦書きの文章の中で、単語を絵に置き換え、ルビのように言葉を添えているのが、現代の絵文字・顔文字入りメール文の先駆けのようでおもしろかった。09291
 スタッフの方々もテーマカラーの黄色いTシャツを着込み、会場はともかく明るく、楽しい。09292

2016年9月28日 (水)

パネルの制作

 写真展の準備が大詰めである。今日は、先回引き伸ばした写真を、発泡スチロールの薄いパネルに貼る作業をした。ぶきっちょな自分を案じていると、「大丈夫、今までに失敗した人は一人もいません」と安島先生。

 下は、先生のお手本作業のスナップ。ハレパネのシールをはがすときは、中心から外へ、空気や切れ端が入らないように押さえながら、少しずつ貼っていく。セーム革の実物を初めて見、触れた。なめしになめした、やわらかな鹿の革。レンズを拭いたり、写真を扱う時これでガードしたり、プロのカメラマンは必ず持っている。お陰様で作業は無事終了!

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2016年9月26日 (月)

贅沢って何?

 川柳やまびこの例会。先月11日に5周年記念句会をしてから、1カ月半ぶりである。記念句会報も出来上がり、皆さんにお届けした。

 今日の宿題は「贅沢」。私が選者の当番で、私が題を決めた。
何を贅沢と思うかは、年代、価値観により、差が出る。「豊か」「ゆとり」は、誰もが歓迎するが、「贅沢」には無駄、浪費の罪悪感が伴う。川柳人らしい風刺を加えつつ、身の丈に合った暮らしが一番、そしてちょっとしたささやかな贅沢〝感〟をだいじにしている庶民の日常をいとおしむ句が集まった。

     印象に残った句を紹介します。
    贅沢をアベノミクスに誉められる (牧人)
   ロボットが拾ってくれる僕の骨 (俊亮)
   ベンツを乗りまわし啜るカップ麺 (ひでき)
   法師蝉読書に耽る喫茶店 (まさ道)
   ゴールドが歯首腕指飾り立て (まさ道)
   グリーン車ちょっと自分へおもてなし (天晴)
   「贅沢は敵」 爺今日も一万歩 (水無月)
   ゼイタクってなに 三食食べる事 (一歩)

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2016年9月22日 (木)

雨上がりに

 群馬の家で、雨が止むのを待って庭仕事。せっせと雑草を抜いていると、雨蛙がピョンピョン現れる。小豆かせいぜい金時豆くらいのサイズの、かわいいものだ。
 今日は比較的大きな、といっても空豆ほどの大きさの雨蛙に会った。ベリーの茎の上で、撮影の間、じっとにらめっこをしていてくれた。握りこぶしサイズのブツブツしたヒキガエルだったら、絶対にらめっこなどしない。09221
 カエルの後に、プリンセスのような薔薇も紹介する。春先に枯れてしまったのを残念がっていたら、その跡から芽を出して花を付けた。私のイメージでは「薔薇色」と言ったら、まさにこの色である。09222

2016年9月20日 (火)

伊香保まつり

 台風16号の影響で、一日中激しい雨。温泉を目当てに伊香保を訪ねた。    
 まずは名物の石段を上る。365段あり、その何段目まで来たかと所々に記してあるのが嬉しい。何事につけ、自分の立ち位置がわかって、あとどれくらいか見通せると気が楽になるものだ。
 200段目あたりに与謝野晶子の詩「伊香保の街」が刻まれていた。「榛名山の一角に、段また段を成して…」で始まるこの詩は10段に及ぶ。「我国温泉都市計画第一号の地」という記念碑も立っている。そこに子供用のお神輿がスタンバイされていた。この日は伊香保まつりの最終日で、夜には雨でも山車をかつぎ、輪おどりをするという。09201
 帰り道、下ってくると、雨よけをかけた山車を引くお若い衆の笑い声がした。雨なんか吹き飛ばす元気なようす、やはりお祭りはいい。09202

2016年9月19日 (月)

雨空のクモ

 群馬の家にやって来た。
 雨の合間に庭を回ると、樹木の間に立派な蜘蛛の巣があった。都会で見かけるのとは段違いに大きく、直径が子供用の雨傘くらいありそう。すぐ近くに別の一つもあり、重なって見える。キラキラしたネットの上を、貫禄のある巣の主と、子どもとおぼしき2匹が、悠然と渡り歩いていた。0919 台風が近づき、空が重い。何枚も撮ったのだが、いずれもモノクロのような写真となった。

2016年9月14日 (水)

作品発表展のお知らせ

 写真講座で来月の発表展(詳細下記)の準備。展示用に、A3より一回り大きいサイズにプリントした。業務用の立派なプリンターを見るのは初めて。安島先生が事前に色調を調整し、A4でのテストプリントをしておいてくださったので、順調に進んだ。まわりに余白はつけない裁ち落とし仕上げで迫力倍増♪。09141●光が丘ライフワーク写真教室受講生作品発表展
日時:10月4日(火)~9日(日) 午前9時~午後9時(最終日は~午後5時半)
場所:練馬区立春日町図書館 展示スペース(大江戸線「練馬春日町」駅下車すぐ)

お近くにおいでのことがありましたら、どうぞお立ち寄りください。0914309142_3
 

 チラシは上の2枚が表裏となっている。どちらの面も「表」である構成や、参加者の写真をなるべく大きく掲載しようとしてくださったご配慮に感謝します。

2016年9月12日 (月)

朗読発表会のお知らせ

 チャイハナの朗読教室では、毎月プロのアナウンサー森田都さんに教えていただいています。来月3回目の発表会をいたします(詳細下記)今日はご指導にひときわ熱がこもり、私などこってりと絞られました(笑)。
 ご一緒の上原さんは音楽家で、朗読はカリンバ(手作り!)の演奏付き。「親指ピアノ」とも言われるアフリカの楽器(写真)で、初めて見、聞きました。美しい音色がよく響きます。09121●チャイハナ朗読発表会 Vol.3  ~愛のかたち~
 日時:10月22日(土)午後2時~(1時半に開場・3時半に終了予定)
 場所:チャイハナ光が丘(練馬区田柄5-14-19)
 料金:1000円(含お茶代)
◎プログラム
 1 大きな木(シェル・シルヴァスタイン作)
 2 おせんくじら(さねとうあきら作)
 3 Love you forever(ロバート・マンチ作)
 4 芝浜(落語より)
 5 朝顔(藤沢周平作)
無償の愛、切ない愛など、さまざまな「愛のかたち」を、どうぞ聞きにいらしてください。09122 写真の左下に写っているのは、上原さん演奏の金属ドラムのCD「Nano+」。〝新感覚ノイズキャンセル―限りなくZEROへ向かう体感〟と添え書きがある。ミクロの世界のような、大宇宙のような、澄んだシンプルな音の連なりは、聞いていると俗な世間のことなど忘れてしまいそう…。リラックスして作業に集中できるヒーリングサウンドとのこと。新しい音の世界を知った一日でした。

2016年9月10日 (土)

『江戸へおかえりなさいませ』

 待ってました、杉浦日向子さん! 11年前、癌のため46歳で亡くなった彼女の単行本未収録のエッセイやイラストを集めた本が、5月に河出書房新社から出版された。前書きや後書きは当然ないのだが、編集者の断り書きも、作者プロフィールに没年の記載もなく、「余計な詮索抜きで読んで」とメッセージが聞こえる。

 どの文章も江戸への愛がしみじみ感じられ、例えば、「〝本物〟を味わう極上の愉しみ」で、蕎麦通の日向子さんは、浮世絵を見る事と、浮世絵の写真製版を見る事では、「かんだ藪の天ぷらそば」と「マルちゃんの緑のたぬき」ほどの違いがあるという。「実際の浮世絵に鼻先を近付けなければ、和紙の毛羽立ちや、刷りのでこぼこのあわいから溢れ出す、饒舌なささやきに浴する愉しみは味わえない」と書き、「浮世絵を飛び切りウマク見せてくれる所」として、原宿の太田記念美術館を薦める。もう、すぐにでも行ってみたくなってしまう。0910

 表紙は江戸を俯瞰したようなペン画。木立や家並みがあり、川が流れた先に帆かけ舟が連なり、遥かに富士を眺める。上空に薄紅の桜吹雪があしらわれ、橋の通行人から吹き出しが出て、「ナント、生きた甲斐がするじゃアないか」。声の主は今も江戸に生きている日向子さんだ。

2016年9月 7日 (水)

ちっちゃいもの

 もうすぐ3歳になる孫息子と過ごした。
 幼児サイズのグッズの中で、一番可愛く感じるのは靴だ。水遊びをしたね、手をつないで散歩したね、歩きながら「犬のおまわりさん」の歌を歌ってくれたなぁ…、何ということもない出来事を次々に思い出させてくれる。09071_2
 「これ、こわれちゃったの」「どれどれ、見せてごらん。えーと、こうかな?」「おじいちゃん、すごーい!」と拍手したところをパチリ。どこかへ行った記念写真もいいけれど、会話が聞こえるようなこんなシーンの写真も好きだ。09072

2016年9月 2日 (金)

『星野道夫の旅』写真展

 アラスカの自然、野生動物などを18年に渡って撮影し、ヒグマに襲われて43年の生涯を閉じた写真家・星野道夫さん。その没後20年の特別展に出かけた。私の通う写真講座の安島先生によれば、「星野さんと言葉を交わしたことがありますが、写真家としてはもちろん、お人柄も立派な素晴らしい方でした」とのこと。

 会場には、大小の作品のパネルと、所々に星野氏の著作から抜粋したメッセージが掲げられている。葉書大くらいのポジフィルムをずらりと並べたショーケースも。また、直径5mほどの円形の小部屋があって、ホッキョクグマ、ムース、ヒグマなどの写真が実物大かと思われるほど大きく引き伸ばされて、床から天井近くまで、湾曲した内壁面にぐるりと貼ってある。キャプションなし、360度動物に囲まれて「感じる」体験をさせてくれた。

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 微笑ましい動物写真の前では「かわいい!」、オーロラ写真の前では「きれい!」の歓声が聞こえる。確かにそうだが、そういった安易な形容詞だけでは申し訳なくなる。息をのむような、肩を揺さぶられるような、じっと問いかけられるような写真が、次々に現れる。
 例えば、横位置の、大半は夕焼け色の空で、下のほうに海の水位があって、その左端近くにクジラの尾がシルエットのように水しぶきを飛ばしている写真。水面下のクジラの姿、表情や、水以外は音を立てない静けさや、その日一日の出来事など、イメージのドラマがゆっくりと広がっていく。夕暮れの海をすすむザトウクジラを、こんな1枚に捉えてくれたなんて。しばらく見入って涙が出そうだった。(「没後20年 特別展 星野道夫の旅」 8月24日~9月5日 松屋銀座にて開催)

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