川柳

2018年1月16日 (火)

川柳連句

 川柳同好会「やまびこ」で12月に連句に挑戦した話は何度か書いた。そこでは「やまびこ流川柳風連句」、「川柳de連句」などの言い方をしてきたのだが、来月の新年会でも連句をすることになったし、年のはじめに夢を見ようと(笑)今日の例会で「川柳連句」のネーミングを発表した。季語(季節)にとらわれず、くすっと笑える川柳の持ち味で連句を巻こうというもの。
 12月の連句4巻の中から1つを紹介する。
「女って」の巻(非懐紙14句)
女っていいな化粧で元気づく/銀座浅草渋谷新宿/盛り場のオモテとウラに咲く涙

なめて塩っぱい水あるを知るかりそめの虚飾にまぎれバラライカロシアはすでにペレストロイカドーピング毎月検査いたします血糖値ハイビールやめますこの夜は熱燗で聴くクラシック蒸気を上げて走る貴婦人今風の煙を立てぬスモーカーベランダもよし孫も喜ぶむだ花もエキス入れば桜色千鳥が淵を流れゆく風

 俳諧師・季語研究会同人である佛渕雀羅さんに4巻を見ていただき、会報にご寄稿いただいた。その一部を紹介する。
「長句と短句が交互に続き、それぞれ個性的な句が並んでいる。…季節には縛られない川柳そのままの行き方である。長句と短句が二句一組の世界を織りなしつつ次々に変化に富んだ新しい世界を生み、「なるほど、こんな連句もあったか」と思わせる。連句では一巻中恋句のないものは端物(はしたもの)とする、という考え方があるが、各巻ユニークで豊かな恋句がちりばめられている。…思いもかけない扉から、川柳の探検隊が連句の沃野になだれこんで来た、という驚きと可能性を感じた。」
 驚きと可能性、とは嬉しい。「川柳連句」が流行るといいな、と願っている。

Photo 上のイラストは、やまびこ創立2周年の際、画家・川柳家の木内紫幽氏が描いてくださったもの。以来、会報表紙の顔、イメージキャラクターとして活躍してくれている。

2017年12月29日 (金)

連句で会報増頁

 今年最後のやまびこの会報がようやく完成した。12日の忘年会の報告号で、実施した「川柳de連句」について、ミニ講座、まとめ、感想文等々いつもより頁を増やして盛りだくさん、編集に時間がかかってしまった。年内に間に合ってよかった。1229_2
 連句については、4頁を独立させて、会員以外の川柳家の方々にも送らせていただいた。「面白く拝見しました」「楽しそうでいいですね。川柳連句というジャンルを作ってもおもしろいかと思います」「連句もおいしそう! 何時か何処かでやってみたいとも思います」…等々、お返事が届いた。こういうお付き合いをしていただけることに感謝をあらたにし、心あたたまる年の瀬である。皆様、今年もお世話になり、ありがとうございました!

2017年12月27日 (水)

2冊の句集

 今年、身近な川柳人2人が句集を上梓された。1月に佐道正さんが『各駅停車』を、12月に永井天晴さんが『雨男晴男』を。月刊『川柳マガジン』を手がける新葉館出版のeブックスシリーズで、文庫本サイズの1頁に3句ずつ、ざっと300句が掲載されている。12151
 『各駅停車』は、「ユーモア句集」と副題にあるように、くすっと上質な笑いを誘う句がずらりと並ぶ。何人かの居る席で、この1冊のどこでもいいから頁を開き、中から1句を披露すると、誰が読んでも誰が聞いても途端に場が和む、そんな本である。ユーモア句を「ザ川柳オブ川柳」とする筆者の魅力が溢れており、好きな句がありすぎて選べないので、4つの章の各冒頭に掲載された句を記す。精鋭を揃え飲み放題に行く/お冷でございます みたらわかるわい/家出するには絶好の晴れた朝/鈍行と言われ各停かわいそう

 『雨男晴男』は、タイトルや装丁が表すごとく中身もくっきりしている。「ケーキ作りの半世紀」「一人称」「天晴流川柳」「希望(娘の交通事故)」の4章立て。2章で「自慢ですちょっぴり私似の娘」と詠んだお嬢さんが今年3月、事故に遭ってしまった。4章で「腫れた脳支えきれない頭蓋骨」「意識ゼロ心臓だけが動いてる」と刻々と事実を追う五七五が胸を打つ。「これでよく死ななかったとただ感謝」「呼びかけに右手で合図し始める」と回復し始め、最終句は「目力の強い娘は立ち直る」。祈るというより信じる五七五である。様子は筆者から直接聞いていたけれど、句集にまとめられたものを読んで、川柳ってこんなこともできる、こんな力もある、とあらためて知った。希望を信じます。

2017年12月22日 (金)

冬至に〝川柳de連句〟

 川柳のお仲間5人で門前仲町へ出かけた。ここは富岡八幡宮が有名だが、先日殺傷事件があったばかりなので遠慮し、近くの深川不動堂にだけお参りした。今日の目的はおいしい魚料理と〝川柳de連句〟である。「熟年の五人冬至に弾みおり」(のりこ)を発句に18句の半歌仙を巻いた。眉の月に見とれ、口はくるくると飲んで話して…と実写のように句が続く。煙草にウソの想い出が浮かび、あたりに深川流しや猫仲間が行き来し、カラリと生きた祖母の時代を振り返り、挙句にゆず湯で余韻を醸す。作句は時に合作となり、句を繋ぎながら会話が一段と弾み、誠に大人の遊びであると実感した。 12222
 今日の着物は、気を遣わないデニム、半衿も白でなくクリーム色にした。明るい色の織の帯に、黄土色の石の帯留め。
12221 
 7年振りくらいにお会いしたTさんが、「川柳の人は一期一会の付き合い方を心得ていて、ヘンに引きずらないのがいい」と道々話しておられた。いい冬至の夜だった。明日からは昼の時間が長くなってゆく。

2017年12月12日 (火)

川柳で連句

 今日は川柳同好会「やまびこ」の忘年会。この席でなんと連句に挑戦した。出席者14人、連句は初めて、という人がほとんどである。最初に、連句とは何か、発句や挙句、俳句と川柳のルーツ、歌仙の決めごとなどについて、資料を配ってK氏が紹介。その上で、今日は〝川柳風〟連句なので、ルールは、1)長句(五七五)と短句(七七)を交互に付ける、2)直前の句に付けて詠む、3)すでに出た単語や事柄は避ける、の3つだけとした。「月」と「花」は予め位置を指定、季節問わずに字を読み込めばよし。あとはいつもの「川柳」の調子でOKとばかりに、1巻14句の連句を4巻、輪になって座った4カ所から、時計回りに同時進行で取り組んだのである。

1212

「慣れてないので短句が難しい」の声はあったが、柳多留の「前句付け」を心得ている皆さん、さすがである。「ちょっと付き過ぎ」「この単語は前にも出ていますね」「もう少し転じて」などと、畏れ多くも〝捌き〟となった私が言うと、ちゃんと直してくださる。めでたく巻き上がった川柳連句、いずれご披露いたします~♪

12122

2017年12月 4日 (月)

〝意地悪〟な川柳

 池袋で川柳「雑句ばらん」の例会があり、いつもより多い26人分52句が集まった。題は「意地悪」。意地悪って何だろう。もともと川柳は斜に構えたり、少々毒があったり、皮肉・風刺が効いていたりする。それでもいじめや嫌がらせ、犯罪行為ともとれることを詠んだ句は好きになれないな、政治・外交問題は意地悪の範疇ではないな、微笑ましい意地悪がいいな…と思って互選の5句を選んだら、そのうちの2句がベテラン川柳家・平野さちをさんの句だった。

 目標を達成したらバー上がる(さちを)…走り高飛びのように、一つクリアしたらその次は一段バーが上がる。もういいよと安心させてはくれず、もっと、またもっと、と上がっていくバーに意地悪をされているような気になる。それが「世の中」「人生」を表しているようにも読めて、味わいのある句だと思う。
 前に立つ人を観察降りるふり(さちを)…まるで長谷川町子のいじわるばあさんのようで笑える。前の人が気の毒な立場の人だったらそんな思わせぶりなどしない。多分若者だ。座った途端長い脚を投げ出しそう、化粧を始めそう、等々観察して思ったから、わざと荷物をまとめ、腰を浮かせてみたというシーンだろう。
 さちをさんの句は、平明で品がある。そのくすっと笑えて後味がいい川柳に憧れる。私の今日の提出句は「いけずせぬお人やったと通夜で誉め」「受け答えわざと一拍ずらす口」。点数は記さないが、自分では作ったときの楽しい試行錯誤に納得できるからまあいいか、と思っている。
1204  写真は近くのホテルのクリスマスツリー。底意地の悪さとは縁のない、さわやかなユーモアがことのほか願われる年の瀬である。

2017年11月28日 (火)

銀座で川柳

 「のぞみ川柳会」は3カ月に1度、歌舞伎座の隣りの銀座区民館で句会を開く。先回は投句のみだったので、今日の参加は半年ぶり。街は早くもクリスマス一色である。
11281
 句会では、この9月から川柳を始めたばかりという方々の句も次々入選。地元八王子で初心者向けの勉強会もしている代表の播本充子さんによると、「秀句の一部を隠す〝虫喰い〟川柳を教材にしたら、皆さんポイントをつかむのが早くて…」とのこと。素晴らしい!

 今日の私の入選句は下記の通り。
 「バランス」 五十嵐修選
トントンのお付き合いです年賀状/バランスを保ちはしない多数決/短めの足の私に合う着物
 「豊か」 永井天晴選
食べものを捨てたりしない主婦の腕/ふるさとに税が逃げても首都は富む
 「花」 播本充子選
子が巣立ち花ファーストに生きてみる/団子より花の淑女にまだなれぬ/押し花に向きそうもない百合の花
11282 
 帰りに歌舞伎座の地下の店に立ち寄ったら、和服姿の殿方外国人がお正月グッズの買い物。年の暮れも、すぐそこである。

2017年11月21日 (火)

〝イヒヒ川柳〟

 川柳同好会「やまびこ」で、今日は、印象吟「銀河」代表の島田駱舟氏をゲスト講師にお迎えした。「僕は性格がわるいのでね(笑)、ストライクを狙うのでなくボール球のような川柳を作る。選者に分かるかな、分からないだろうな、と思って出すから没になっても気にならない。ストライクの類想句が多いと、けっこうボール球が抜けるんです。〝イヒヒ川柳〟と呼んで、これで30年川柳をやっています」と駱舟氏。イヒヒ川柳の延長線上にあるのが印象吟「銀河」で、写真や図形を見て、音楽を聞いて、句を作る。頭を捻るのが楽しい、人の発想を知るのがおもしろいと言って、毎回大勢の参加者を集めているとか。「川柳は作るのが楽しいんです。いい句を作ろうと思わずに、人の評価は気にせずに、自分で納得のいく句を作ることです」との話がズシンと響いた。1121

2017年11月 6日 (月)

11月の雑句ばらん

 今日は池袋で川柳「雑句ばらん」の集まりがあった。題は「際どい」。いつもながら挑戦的な題だが、それでも眉をひそめるような傾向の句にはならず、ちゃんと節度を保つこの会の雰囲気が、私にはうれしい。「ありきたりの題では殻を破れない。もっと皆さんの発想を解放したくてね」と代表の佐藤孔亮さん。
  セクハラと口説き文句の紙一重 (のりこ)
 上記の私の句は、最高点をいただいた。今日の空のように、日本晴れの気分です。

1106

2017年10月17日 (火)

「宴」の川柳

 川柳同好会「やまびこ」の例会で、宿題の題は「宴」。『川柳マガジン』7月号に特集が掲載された川柳家、やまびこの世話役でもある植竹団扇さんが選者で、ユーモアたっぷりに披講、解説をしてくださった。
 宴は人が集まり、お酒も加わるから、人間くさいシーンがてんこ盛りである。職場では見せぬ顔のスターが居たり、腹の内が酒に溶けていたり、始まりも終わりも「とりあえず」だったり。披露「宴」では、互いに勝者の気分でのぞむ離婚の披露宴の句や、七五三は子供を披露する宴だとする句が、現代を切り取っていて面白かった。華やか、賑やかでなくても、手製の酒肴で家飲み、妻の誕生日に好物を作ってお祝い、持ち寄り品で地域交流等々、日常のちょっとした「ハレ」のひとときを〝宴〟として称える視点も印象に残った。
 団扇さんが最高位に選んだ句は、唯一宴の中にいない自分を詠んだ句だった。「僕も一人で飲むの好きなんです。居酒屋の隅でちびちびやっていると、宴の声が聞くともなく耳に入る。寂しいとかやっかみとかじゃなく、そうやって愉しんでいるんです」と。会員による互選では、選べる句の数が少ないからやはり吸い寄せパワーを持った句に点が集まる。選者は全体を見て入選句の順位をつける。双方が相俟って、よい勉強会になるのだなと思った。

 私の句は、酒盛りを仕切る一番でかい声(秀/のりこ)
       老親の元気を保つ
次の宴(地/のりこ)
を選んでいただいた。2句目は「保つ」でなく「つなぐ」とするのもいいですねとの助言あり。なるほど~!
1017  今日は、例会をいつもと違う場所で行ったら、ホワイトボードではなくて懐かしい黒板。長いこと中高校で教鞭をとっていた団扇さんとマッチしていた。

より以前の記事一覧