川柳

2017年5月23日 (火)

銀座で5月句会

 3カ月に一度の、のぞみ句会に参加した。いつもの句会(投句、選者の披講)に加えて、川柳界の重鎮・五十嵐修氏のスピーチが心に沁みた。最初の師であった大木俊秀氏が誉め上手だったエピソードをはじめ、「川柳は投句だけじゃなくて、句会に来るのがいいですよ。どんな句に出会えるか、ほかの人の句を聞いてどこまでわかるかが面白い。なんで川柳始めたの、なんて話から交流もできます」と素敵な笑顔で語られた。
 のぞみ代表の播本充子さんとは、「句会でリュックサックから広辞苑(電子辞書でなく立方体に近い厚さのあの広辞苑!)を取り出した人がいたので感心して声をかけたのが始まり、以来20年の付き合いです」とか。充子さんは、「こんなに川柳のお好きな人はなかなかいません」と五十嵐氏を称える。
 こののぞみ句会では披講の際に、じっと耳を傾ける皆さんから「ほう!」「いい句だね」などと感想が聞こえる。それがとてもいい雰囲気を醸していて、私は好きだ。

  今日の私の入選句は次の通り。
・さわやか(岡村水無月選)雑草のゆえに青葉と名乗れない
・バス (伊勢田 毅選) 豪華個室線路なくても運ぶバス
            路線図を一筆書きにバスの旅

・代表 (播本充子選) 吾輩は猫 ミッキーはネズミなり
           カレーライス今や日本の母の味
           私の選ばぬ人が国の顔

0523  歌舞伎座の地下は三社祭りの飾りつけで賑わっていた。

2017年4月16日 (日)

川柳展望大会

 毎年この時期に大阪で開かれる川柳展望全国大会に出席した。2013年以来、2回目である。季刊誌「川柳展望」でお名前を拝見していても、お目にかかれるのは全国から誌友の集まるこの機会だけ。各地の川柳大会の情報交換の場ともなり、数えたら9通配られていた。主宰の天根夢草氏(写真)が終始甲斐甲斐しく立ち働いておられ、その雰囲気に惹かれて足を運ぶ人も多いに違いない。
 約170人の来場者の平均年齢は70代後半だろうか。入選作に、同想句や言い古された表現が入っているのを聞くと、やはり惜しい気がする。同時に、若い句、新しい句を選ばれる高齢の選者もおられて、これは年齢の問題ではないとあらためて思う。
 私は2句、抜いていただいた。
   題「継ぐ」佐道 正選 丈継いで祖母の紬を着る小粋 (のりこ) 
   「自由吟」新家完司選 くずし字が書けず熟女になりきれぬ (のりこ)0416

 大阪へ日帰り、それも初めて着物で新幹線の遠出をしたので、少なからずくたびれた。洋服のない時代は当然、和服で長旅もしていたのだろうけれど。

2017年4月 9日 (日)

『よい句をつくるための川柳文法力』

 川柳の大会や投句の締め切りが迫ってきて、少しの時間を見つけては、五・七・五と指を折って句を絞り出している。そこですがり付くのが『よい句をつくるための川柳文法力』(新葉館出版)の本。先月末に開かれた川柳同好会「やまびこ」の勉強会に、筆者・江畑哲男氏がゲスト講師としてお越しくださって、「文法は難しいと敬遠されがちですが、知らないのはもったいない。これを身に付けると表現力がぐんとアップします」とにこやかに話された。
 「ことに女子力ならぬ〝助詞力〟をつけてください(笑)。気持ち、含蓄、深さなど、てにをはの一字を変えるとニュアンスが違ってきます」とのこと。比喩、擬人法などについても、著書には例句を数多く引いて説明、比較がなされ、なんとなく思っていたことが、なるほどと腑に落ちる。さすが高校の国語の先生である。
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 ふむふむ…と読み、秀句もたくさん鑑賞することができた。…が、肝心の作句はなかなか進まない。しばらくもがき苦しむ日が続きそう。

2017年4月 3日 (月)

4月の「雑句ばらん」

 池袋の会場で、川柳「雑句ばらん」の勉強会。近くの公園で桜が満開だった。
 今日の題は「穴場」。釣り、松茸採り、秘湯、店、ミシュラン、SNS…いろいろ登場しておもしろかった。辞書によれば、穴場とは「人が見逃している恰好の場所」だが、これを「目の届かない所」と発想を広げ、本社の目の届かない地方の酒場や、校則の目の届かない屋上も、自由で気楽な穴場である、と仕立てた句に脱帽した。それから、猿や熊が穴場を知っているという発想や、穴場に「らしさ」があるという目の付けどころにも参った。やはり川柳は、何をおいても見付けが第一だなぁ。
 今日、私が点をいただいた句は、「ツイッター穴場を自慢してしまう」(のりこ)
 顕示欲も加わって内緒にしておけず、ついつぶやいてしまう、その途端に情報が広まって穴場が穴場でなくなる。現代には、とてもよくあることだ。0403_2

2017年2月28日 (火)

銀座で句会

 歌舞伎座の隣りの銀座区民館で行われるのぞみ川柳会(代表・播本充子さん)の2月句会に参加した。同会は今日で発足13年とのこと、おめでとうございます。川柳が好きでたまらない充子さんに惹かれての活動なのだろう。2010年から4年がかりの歌舞伎座建て替え工事は、隣りの会場から毎月つぶさに経過を見ていたとか。

 今日の私の入選句は、
  出窓ごとにずらりカメラ目線の猫 (題「窓」)
  透明なまま雨風に耐える窓
 (題「窓」)
  惜し気なく相づち打って即忘れ 
(題「なるほど」)
  不手際なニュースの後に花だより
 (題「なるほど」)

 もう一つの題「化ける」は、急遽選者をつとめることになったので、軸吟を記す。
  化けたくて女優入門決めました (のりこ)
 実はこの句、ほんとうに今の私の心境なのである。7月に朗読劇の公演があり、今度は脚本だけでなく役をもらって出演することになった。江戸時代のワケあり女に化けたくてうずうずしている。

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 地下鉄東銀座の駅を降りたら、改築後の歌舞伎座の地下ショップへと通路がつながっている。いよいよひな祭り、和の春のカラーに染まってひときわ明るい♪

2017年2月20日 (月)

お楽しみ川柳

 川柳やまびこの会合で、今日はひと月遅れの新年会。乾杯、会食、歓談をしながら、いつもの投句や互選ではない川柳を楽しんだ。
 その1―しりとり川柳。五七五の、前の句の下五を次の句の上五につかって、しりとりのようにつないでいく。
 その2―穴埋め川柳とでも言おうか。五七五のいずれかが印刷された句箋を全員に配り、進行係の指示によって空いた二ヵ所のどちらかを書き込んだところで句箋を集めて配り直し、別の人が残りを埋めて完成させるというもの。
 例えば、上句の「国訛り」が印刷され、それに対しての下句に「太っ腹」「生ビール」「半世紀」「お人柄」…などが書き込まれる。中句の考えやすいもの、かけ離れたものなどいろいろあるのだが、皆さん、配り直された時には発想をふくらませて一句に仕立てていた。意外な上下をうまくつないだ句には歓声が上がる。上句「国訛り」、下句「お買い得」、中句「心残りは」の三題を実施、それぞれおもしろかった。作者は最後に完成させた人、となるのだが、実はその前の二段階目を書き込んだ人のセンスにより、かなり左右されると思う。
        旅にでて「心残りは」猫のエサ (のりこ)
        愛実るシルバー旅の「お買い得」 (のりこ)

0220 会食はおしゃれな一口寿司。飲み物ズラリ、デザートやフルーツも添えられ、笑い声とともに新年の多幸を願った。

2017年2月 6日 (月)

「煙」雑句ばらん

 「川柳雑句ばらん」の2月例会で、今日の題は「煙」。煙に巻く、火のない所に煙は立たぬ、の類想句がたくさんあるかと思ったがそうでもなく、タバコの煙、SLの煙、竈の煙、煙突、湯煙、煙たがられる…等を題材に、さまざまなシーンが登場した。
   印象的だったのが、平成より昭和の時代のほうが「煙」がよく出ていたこと。かつてはSLの馬力をもってまっしぐらに突き進み、工場の煙突が目立ち、頑固なお父さんの煙草の煙が家の中に流れていた。現代は電化されて料理の際に煙は出ず、喫煙所は隔離され、焚き火は禁止で、日常から煙が減ったなぁとあらためて思う。煙のかたち、色、臭いはいろいろなイメージとつながり、新しい取り上げ方ができそうなのだけれど。「そんな喚起を願って、毎回題のことばを選んでいるんです」と代表の佐藤孔亮さんが言っていた。

0206  バレンタインデーを前に、今日は会合にチョコレートの差し入れ♪ 手前の「よろしくね」「いつもありがとう」の小袋の中にもハート型のチョコ~♪

2017年1月23日 (月)

川柳で「リアル」を考える

 川柳やまびこの一月例会。「リアル」の題で一人一句事前投句してあったのを、ホワイトボードに書き出して互選、鑑賞をする中、団扇さんの進行により、現代の「リアル」について話が盛り上がった。辞書によれば、「リアル」は「実際に存在するさま。現実的。実在的。真に迫ったさま。写実的」。その逆が「うそ」なのだが、CGの映像技術、人工知能の発達などにより、絵空事やこしらえ物の世界が限りなく本物に近くなっている。01231_2 中から2句、紹介する。
  近未来ロボットだって恋をする (天晴)
  バーチャルに逃げて超リアルに嵌まる 
(のりこ)
 ホントと仮想の境がない、ホントよりホントらしく表現できてしまう、「ロボットだって句を作る」時代はすぐそこまで来ている、戦のかたちもボタン一つのゲームと化す……等々、新年早々、出席者13人は活発に意見交換を発展させたのだった。

01232  上の写真は会員K氏のショルダーバッグ。浮世絵の布を自分で縫いつけたとか。そのほか手帳のカバーには、ペンを共にセットできるよう筒型布が縫い込んであって便利そう! 一点物、オリジナルを創り出す心意気が川柳にも通じると思った。

2017年1月17日 (火)

浅草で新春句会

 三社川柳会の句会に参加させていただいた。会場は浅草寺の奥の浅草神社。仲見世通りはじめ町はまだまだ新春の様相、句会もおめでたい雰囲気で楽しかった。01173  入選句は
「孔雀」 ゴージャスな孔雀を目指す年女  草食系孔雀の羽根を持て余す
「くしゃみ」 柄にないコロン身につけハックション  くしゃみ二度苦手な男いる合図
「偶然」 たまたまの危険数値と白を切り  偶然の駒が出過ぎるメロドラマ
「癖」 お太鼓の右がふくらむ指の癖01172  賞品は、浅草神社の「神塩」、浅草満寿屋の原稿用紙、アップルパイ、チーズケーキ。最後は、「よっ」「もう一丁!」と三本締めで締めくくられた。01171  浅草はこの日も観光客で大賑わい。鮮やかな色彩の着物が青空に映えていた。

2016年12月18日 (日)

季語研の忘年会

  今年最後の季語研究会は、蕪村連句の講読を早めに切り上げ、宴とともに俳句&川柳の句会が行われた。「烏」「龍」「茶」の3題に俳句、川柳を各1句ずつ提出し、互選、合評へ。私の俳句は歳時記を片手に四苦八苦して作ったが、結局滑稽な句になってしまった。

  例えば「烏」で、
「白髪なき烏うらやむ冬帽子」【俳句】  「ドローンと競う露天風呂のカラス」【川柳】
季語「冬帽子」があるかないかの違いである。
  「茶」も、
「鯛焼きの帰るを待つや碗二つ」【俳句】  「茶柱の福を知らずにお~いお茶」【川柳】
「~や」と詠嘆(?)をつかってみたけれど…(苦笑)。

  「龍」の高得点の方の【俳句】 を紹介させていただく。
        「画狂老い倒れ臥すとも龍の玉」(千晴)
        「飛竜頭の箸にほろほろ年の空」(丁那)
  やはり格調が高い! 勉強になりました。

   季語研の方々は珍しい飲食物を持ってきてくださる。この日の宴に並んだ浅草・神谷バーの名物「電気ブラン」もその一つ。ブランデーをベースに数種の洋酒がブレンドされ、電気のようなビリリとした味わいで、明治15年に誕生したという。話には聞いていたが、店の前を通り過ぎるばかりで今日初めて実物を見た。これを味わいながら60年代のジャズを聞き、興に乗って一句詠む。何て贅沢な酔い方、満ち足りた時間の共有かと、あらためて感謝した。12181
   高得点を博したチャイハナのマスターに贈られた賞品が『猫の国語辞典』。季語研の佛渕健悟さんが小暮正子さんと、猫が詠まれた句2400と猫に関する言葉を集めて編んだ、ほやほやの新刊である。季語研の会報に同人の杏奈さんが「表紙の写真の猫がだんぜんいい」と書いていらした。室生犀星の愛猫ジイノが火鉢にあたっている写真。猫と縁のない私でも、なるほど、この顔を見るとねぇ…!! と納得である。12182                                 『猫の国語辞典』 (2016年12月5日初版・三省堂・1500円)