季語研究会

2017年9月19日 (火)

川柳仲間と連句の冊子

 川崎駅の地下商店街で5月に開かれた「笠着連句」(私も参加。5月27日のブログ参照)の記録が、おしゃれな1冊にまとめられた。ほぼA4判の20頁。表紙には「連句で遊ぼう」「一句付けてみませんか」のキャッチコピー。中を開くと「連句とは?」「三つの基本」に始まり、当日の表合八句が其の一から其の八まで、そして歌仙三六句の連句作品が、解説付きで紹介されている。季語研究会世話人の丁那さん、雀羅さんが執筆された、その解説がおもしろい。句の読み解き、つながりと展開、世界観などが、まるで短編小説のように味わえる。
 一昨日の季語研究会で手渡されたその冊子を、私に連句を紹介してくれた一歩さんのいる川柳「やまびこ」の集まりに、今日持参。披露したら「あら、すてき」「うわぁ、大人の遊びですね」「みんなで物語を作っていくんですって」「へえ、おもしろそう!」と話題になった。新しいことを軽やかに試す「やまびこ」のことだから、忘年会あたりの余興で〝川柳風〟連句に挑戦するかもしれない。
0919

2017年5月27日 (土)

連句で遊ぼう

 川崎駅地下商店街の広場で、笠置連句が開催された。笠置連句とは、通りがかりの人が(昔は笠も脱がずに)即興で句を連ねていくものだが、それをショッピングモールで行うという。モダンな地下街に、緋毛氈と野点傘の会場が設けられ、なんとも斬新、画期的! 囲うパネルの外側に「連句とは?」「連句の三つの基本」などの紹介文を掲げ、「丁寧にご指南しますので初めての方もどうぞお気軽に!」のコピーで呼び掛ける。
05273

 上の写真は11時のオープン直後。この後、人々が立ち寄って賑やかになっていく。衝立ごとに発句が掲げてあり、表合せの形式でそれぞれに八句まで付けていく趣向。私は数句付けてお昼過ぎに失礼したが、終了の5時までに楽しい連句がいくつも完成したことだろう。
 作品は、捌きのお目通しの後、書家が美しくしたためて下さる。その姿を見ることも現代では貴重なもの、道行く人が大勢足を止めていた。
05272
 正面の大パネルには歌仙(36句)が順次貼り並べられていく。私の短句「熟女の恋に指定席なし」もタイミングを得て入れていただき、墨字になると立派に見えて、とても晴れがましい気分だった。

2017年1月15日 (日)

初懐紙のR

 季語研究会の初懐紙。蕪村連句は、四歌仙その三「恋々として」初表1より講読。
「恋々として柳遠のく船路哉」(几董)の発句に、「離々として又蝶を待艸」(蕪村)の脇が付けられ、「恋々」が「未練がましく心ひかれる様」の意であること、「離々」の漢詩調で応じたことも興味深かったが、レンレン、リリ、というR音の響きが心に残った。ランラン、ルンルンは楽しく弾む時につかう。擬音語、擬態語には、ヒラヒラ、クルクルなどラ行音が繰り返されることが多く、リズム感がある。連句実作の発句は、「凛々と空の青きに凍豆腐」と作ってみた。空気の冷たさがリンリンなのは皮膚感覚としてわかる。なんだか不思議だ。
01152 お正月らしいお菓子をいただいた。上は町田市〝蛸八〟のおめでたい宝船のお饅頭。下は香川県〝ばいこう堂〟の落雁「雪の庭」で、雪うさぎ、毛糸玉、ミトンなど可愛らしい。日本の季節感はいいものだなぁとあらためて思う。
01151_2  華やかなROSEのスパークリングワインで乾杯。「初旅や」の胡蝶(24句)は恋ダンス、豊洲も登場しながらめでたく満尾となった。

2016年12月18日 (日)

季語研の忘年会

  今年最後の季語研究会は、蕪村連句の講読を早めに切り上げ、宴とともに俳句&川柳の句会が行われた。「烏」「龍」「茶」の3題に俳句、川柳を各1句ずつ提出し、互選、合評へ。私の俳句は歳時記を片手に四苦八苦して作ったが、結局滑稽な句になってしまった。

  例えば「烏」で、
「白髪なき烏うらやむ冬帽子」【俳句】  「ドローンと競う露天風呂のカラス」【川柳】
季語「冬帽子」があるかないかの違いである。
  「茶」も、
「鯛焼きの帰るを待つや碗二つ」【俳句】  「茶柱の福を知らずにお~いお茶」【川柳】
「~や」と詠嘆(?)をつかってみたけれど…(苦笑)。

  「龍」の高得点の方の【俳句】 を紹介させていただく。
        「画狂老い倒れ臥すとも龍の玉」(千晴)
        「飛竜頭の箸にほろほろ年の空」(丁那)
  やはり格調が高い! 勉強になりました。

   季語研の方々は珍しい飲食物を持ってきてくださる。この日の宴に並んだ浅草・神谷バーの名物「電気ブラン」もその一つ。ブランデーをベースに数種の洋酒がブレンドされ、電気のようなビリリとした味わいで、明治15年に誕生したという。話には聞いていたが、店の前を通り過ぎるばかりで今日初めて実物を見た。これを味わいながら60年代のジャズを聞き、興に乗って一句詠む。何て贅沢な酔い方、満ち足りた時間の共有かと、あらためて感謝した。12181
   高得点を博したチャイハナのマスターに贈られた賞品が『猫の国語辞典』。季語研の佛渕健悟さんが小暮正子さんと、猫が詠まれた句2400と猫に関する言葉を集めて編んだ、ほやほやの新刊である。季語研の会報に同人の杏奈さんが「表紙の写真の猫がだんぜんいい」と書いていらした。室生犀星の愛猫ジイノが火鉢にあたっている写真。猫と縁のない私でも、なるほど、この顔を見るとねぇ…!! と納得である。12182                                 『猫の国語辞典』 (2016年12月5日初版・三省堂・1500円)

2016年8月21日 (日)

連句と俳文リレー

 月に一度の季語研究会で、6月から与謝野蕪村の連句を鑑賞している。取りあげたのは『蕪村七部集』の中から、「一夜四歌仙」。これは、病気の老いた嵐山を見舞った蕪村(57歳)が、四吟の連句をしてほしいという嵐山のリクエストで、三浦樗良(俳諧師・44歳)、髙井几董(蕪村の高弟・32歳)とともに、一晩で歌仙を四つ(「薄見つ」「白菊に」「恋々として」「花ながら」)巻いたというもの。その中の「薄見つ」を今日読み終えた。皆さんの講釈を聞き、耳新しいことばかり、とても勉強になる。

 季語研の会報に「俳文リレー」が復活。7月発行の147号に、私が芝浜の朗読の話を書いたら、8月号ではNさんが「パリ娘Tsukijiへ行く」と魚屋をつなげてくださった。「付け」と「転じ」の妙味は、連句実作の時間の皆さんの会話にも流れ、愉しい世界だなぁとあらためて思う。

 今日は、Yさんから高知のお土産「竜馬がゆく」をいただいた。ピストルを持ち、ブーツを履いて写真を撮ったという、新しいもの好きな坂本竜馬を偲んでの銘菓。和洋折衷の焼き菓子で、中にミルクあんが包まれていた。

0821

2015年11月22日 (日)

町田連句大会

 町田市民連句大会に出席した。町田連句を楽しむ会主催、市民文学館で行われたこの会は今年で8回目。テーマは「時代を詠む」。

 午前中の講演の題は、「テレジンの小さな画家たち」。講師の野村路子さんは、ナチス時代の収容所の子供たちの絵画や詩の保存と紹介に取り組んでこられ、「テレジンのこととなると、いくらでも話すことがあって…」と熱く語られた。命を救うことはできないけれど、子供たちに生きていてよかったと思える経験をさせたい、と絵画教室を実現させたテレジンの大人たち。こういうことが文化の高さなのだなと思う。

1122

 午後は9組に分かれて、連句の実作。私の卓は5人で半歌仙を巻いた。大学で教鞭をとっておられる鈴木先生が「捌き」をしてくださり、連句の決まりごと解説やイメージの舵取り、「次は人が出てくるといいですね」「思いつきが大切。表現はあとから皆で考えて直せます」などと、終始なごやかにナビゲートしてくださった。

 テーブルによって、歌仙、短歌行、宝塚など形式もさまざま。4時すぎ、それぞれの「捌き」の方から披講をうかがって終了。脳が心地よい汗をかいた一日だった。

1122

2015年9月20日 (日)

連句「宝塚」

 季語研究会の九月例会。上嶋鬼貫著『独ごと』より、「証歌のこと」「古格を知ること」などを講読した後、連句実作に移る。

 発句は「この国の明日も知らずに彼岸花」(のりこ)。今日は「宝塚」の形式をとることになった。通常の歌仙では、36句の中に、月を3回、花を2回出すところを、宝塚では、雪・月・花・星のいずれかを一連(7句)の中に入れながら四連(28句)続けるとのこと。さらに、これは「星」をなくして三連にしてもいいし、「宙」を加えて五連にしてもいいという。

 決まりごとといい、「宝塚」のネーミングといい、何だかおもしろい。華やかで、おしゃれで、恋が出てきやすくて…の調子で、「わたむしふはと降りるてのひら」(雀羅)の挙句まで、無事に終了した。

0920                                         本日の句箋

2015年8月16日 (日)

研究会でお赤飯

 月に一度の季語研究会に出席した。この会は2001年7月15日に発足、季節感の希薄になった現代都市生活のなかで、「季語研究会では、季語についての掘り下げと同時に、句会・連句実作をやり、参加者の詩の感性を豊かにする方向にいろいろな刺激を提供したい」と活動を続けている。

 日頃、季語のない川柳を作っている私だが、川柳仲間の一人から紹介されて、3年半ほど前からこの会に参加するようになった。連句で自分の番が近づくと、いまだに辞書や歳時記と首っ引きで冷や汗をかいている。加えて、今日は連歌の実作をするという。やまと言葉でつづるとあって、『現代語から古語を引く辞典』も持参した。「ぼんやり」「はらはらする」「ぶっきらぼう」等々、現代ふつうに使っている語の古語版を知ることができ、類語や資料も多々掲載、まさに「お助け本」である。

Photo_2 

 連歌は、季語研究会のメンバーが、ブログを使って「電脳千句」をめざしている。第五の百韻が、残すところあと五句となっていたのを、この日例会の席で完結させ、五百句を達成したのである。宴には、「お赤飯」が登場した。

Photo

 季語研究会会報の創刊号発行日が8月15日。最新の会報が140号。研究会にとってもちょっとした節目、記念の「お赤飯」の日であった。